Stories / 最終更新時間:2005年07月10日 01時43分27秒
映画についての簡単なレビュー記事です。
8 Mileをレンタルビデオで見たんだけれど、スラング多用の汚い言葉と地味でひねりのない展開なんか関係なく、面白かった。実話に基づくとなると、もがく演技の先の実際を想像してしまう。字幕で歌を見る悲しさはあるけれど意味は伝わってくるし、エンディングの曲「Lose Yourself」もよくてアカデミー賞受賞も納得です。
よく考えると「なんだそれ」とツッコミが入る、子供の喧嘩のようなリリック(歌詞)の応酬も面白い。アドリブで韻を踏み、気転の利いた言葉を吐きまくりです。
エミネムを歌うでは、字幕の苦心が伺えます。
第75回アカデミー賞 最優秀賞ほか、6部門受賞のミュージカル映画 CHICAGO。よい子よい子していないのがこの映画のいいところ。妄想(未来?)の舞台シーンが作品のなかで次々に挿入される。6人そろって自分が悪いんじゃない相手の自業自得と勝手な歌を歌う女たち、自分の影の薄さを歌にして「見えていないのか?」と真面目に考えている男…笑ってしまう。
主役の男優女優、レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギアたちの欲望に忠実な悪っぽさは見事で、ある意味カッコよくさえ見える。ものすごく強引だけれど。最後はあっさりスマート元気に終わる。
予告編はgooの映画特集からどうぞ。
MATRIX REVOLUTIONSを観た。「ひとりでも多くあいつらを道連れにしろ!」「イェー!」、「ドン、ドン、ズサァァー」一方ではドラゴンボールの戦闘みたいな。これは絶対馬鹿映画だ。どうして男――戦う男、作る男、観る男――は馬鹿なんだろうと思わせる。
でもまぁ、馬鹿映画は嫌いじゃない。機械との戦争シーンもド迫力かつ怖かった。けれど、話が飛びすぎて「えーそういうことなの?」という納得のいかなさも。
ストーリーや予告編はgooの映画特集や映画情報からどうぞ。
g@meを見た。今回もレイトショー、1300円なのでお得感がある。踊る大走査線のスタッフもかかわっているらしく、オープニングや最初の導入、舞台など似たテイストがある。誘拐犯(藤木直人)と誘拐される娘(仲間由紀恵)とのラブストーリー、サスペンス、いろいろ見方はあるだろうけど、一番残るのはインパクト抜群、IZAMの存在。
・・・いやそうじゃなかった。物凄く面白い! ――という映画じゃないし、強引だけど、工夫がたくさんあって、けっこう楽しめます。物語が犯人側の視点で描かれるのがいい。[1]
ストーリーや予告編はgoo 映画やMovieWalkerからどうぞ。でも、あらすじなんか見ずにいくのがベターです。
ストーリーはさすが東野 圭吾というべきか、ひねりのある内容になっている。原作は「ゲームの名は誘拐」という本。まだ読んでいないけれど、原作の結末と映画の結末は違うらしい。
公式サイト g@meでは、ゲームにちなんでネットワークゲーム”大富豪2”(ニヤリ?)なんてコーナーもあり。
- [1]犯行手段のリアリティについて気にする人には向きません。動機はもうちょっとなんとかしてほしいけれど・・・。
ファインディング・ニモを見た。この映画は公開される前から人気で、公開後も様々な声があるものの、おおむね好評という珍しい作品。
アンドリュー・スタントン監督は作品についてこう答えている。
「父親が主人公のアニメなんて珍しいだろう?」とスタントン。「5年前かな、忙しい仕事の合間に、久しぶりに5歳の息子と公園に行ったんだ。いろいろ話したいことがあるはずなのに、僕が口にするのは『それは触っちゃダメ』『ほら車が来るぞ』といった言葉ばかり。こんな父親のもどかしい思いを物語にできないか、と考えたのがきっかけだ」
実際、話はこのとおりよくまとまっていて、なぜか泣ける。噂が広がるシーンや、ふんだんにある冒険の回想シーンが、単純な言葉やありきたりのパターンに重みみたいなものを与えているのかもしれない。映像もピクサーならではの生き生きとしたCGで気持ちがいい。ただ、笑えるシーンは少なめ。[2]
内容も毒がないようである。ただ、食べたり食べられたりする現実の厳しさを表現しながらも、優しいCGとコミカルで分かりやすいストーリーがそのことを忘れさせている。言うならば、毒が分かりにくい。
ところでこの映画、ゲームにもなっているらしい。それもPlayStation2。
映画の概要についてはgoo映画情報へどうぞ。
韓国の恋愛コメディ映画。異文化だからか、この映画だからかは分からないけれど、あまり見たことのない展開が面白い。お人よしでお調子ものの男と「言うとおりにしないと殺す」という過激な女とのやり取り。
「どうして彼女はこんなことを言うんだろう」
「この男はどこまでお人よしなんだ」
それも最後まで見れば分かる。
しかし「韓国で、インターネットの掲示板に載ったエピソードを基に映画化されたというユニークな一作」とは知らなかった。そういうことってあるんだなぁ。スピルバーグもリメイク件を買い取ったらしい。ハリウッド版は…ちょっと嫌。
メメントという頭が疲れるトリッキーな映画を見た。記憶障害で10分間しか記憶がない男が、妻を殺した犯人を必死に探して復讐しようとするストーリー。妻が殺される以前のことは分かるが、その後のことは記憶できなくて、メモしたり刺青したりし写真を撮ったりしたものを見て毎回知る。そんな状態で犯人を捜せるのか?
なんて問いかけはいらない。この映画は終わりのシーンから、場面が区切りごとに逆回しに流れていく。記憶障害を題材にすると、なんともいえない間抜けさとそれでも必死な切なさが強調されそうだが、この映画の場合はそれよりも「誰が犯人なのか」「誰/なにを信じるのが正解なのか」といったミステリー色が強い。
すっきりはしない話だけど、主人公の混乱を体験していく体験映画として面白い。DVDでは映画の順番を逆にして最初から順にストーリーを追えるようにもなっているようでけっこうお得だ。
解夏を見た。レビューサイトを見ると「さだまさしの名に不安を覚えた」とか「上品で淡々とした描写で浅い内容」といった意見が多い。しかし、自分としては泣ける話だった。加えて怖い映画です。たとえば電気スタンドが倒れるシーンは音と光が怖い。学校の生徒たちのシーンも怖い。
こちらは原作となった本。短編というのは意外です。[3]
テレビコマーシャルでは外人さんが感想を述べたりもしていたけど、案外外人受けもよいかもしれない。長崎の方言、暮らし、寺。そういう日本的なおおらかさや静かさがよく描かれている。日本の静かな暮らしや風景といえば、ジャンルがぜんぜん違うけど、ラストサムライもそうだった。[4]
- [3]でもまだ読んでません。
- [4]ラストサムライはストーリーが謎だけれど。というより、トム・クルーズが無敵。
goo映画のあらすじと予告編、シネマスクランブルのレビューもどうぞ。
ラブストーリーを見た。といっても何のことやら分からないかもしれない。「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン監督が撮った恋愛映画だ。冬のソナタもそうだけれど、韓国の恋愛映画には「えっそうなの?!」というひっくり返し(の連続)が欠かせないようで、見ていて面白い。
こちらはサントラCD。歌もうまく使われていて感動的。
多用されるありがちなシーンは分かりやすいし、それと表裏一体のひっくり返しのおかげで興味が続く。娯楽としてうまいバランスだと思う。文化の違いかどうかは分からないけれど、なんでそうしたの?と理解できないこともあるけれど。
印象に残ったのは、ベトナム戦争のシーン。徴兵されることがある、という事実を想像すると恐ろしくなる。
ところで、いろんな人がこの映画の感想を書いているようだ。たとえばこちら、BananaBlog。goo映画のあらすじと予告編もどうぞ。
スパイダーマン2を見た。ヒーローなのに、手作りの衣装。ヒーローなのに、敵は知り合いばかり。ヒーローなのに、空を飛べずにエレベーターで降りてくる。しかしスパイダーマンは爽快。映像がまず爽快にできていて、苦悩だなんだがその次なのも気楽でいい。だけれど「やっぱりそれだけでもない」のがいいところだ(ひねりがあるって意味じゃなくて)。
スパイダーマン2のDVD。
こちらは前作のDVD。スパイダーマンはラブストーリーでもあるし、なによりヒーローの話だけれど、ヒーローの心得の話でもある。goo映画のあらすじと予告編もどうぞ。
スウィングガールズを見た。ウォーターボーイズで有名な矢口史靖監督作品ということで、元気でコミカル、ストレートな話の展開を楽しめる映画。
これは映画の原作本。
映画の中で、裏で拍子(オフ・ビート)をとればみんなジャズと言い切り、信号待ちの曲も裏で手拍子してジャズにしてしまうエピソードがある。これならジャズを知らない観客にも分かりやすい。
こちらはガイドブック本。さらに「スウィングガールズと始めるジャズ入門」なんていうムック本も出ているようだ。
話には無理があるものの、演奏は実際に出演者がやっている(ひきかえなし!)という点でそこはカバー。東北+ジャズというミスマッチ(失礼)、Swing Girls に and a Boy と付け加えている男子高校生もいい味を出していた。
実際ジャズはそんなに好きじゃない。でも映画を見ていると、それはたぶん「自分が演奏/スウィングしないからだ」と気づく――けど、いかにも「ジャズ」な曲じゃなければ案外楽しいのかもしれないなあ。
曲を聴いてみたいからはこちら。SWING GIRLS オリジナル・サウンドトラック。
余談だけど、神奈川県立大原高校の生徒さんたちによるブラバン・ジャズ 体験レポートなども演奏の雰囲気が分かって面白い。
ラストサムライで不死身の力を見せ付けたトム・クルーズ再び。CGを駆使したパニック映画、宇宙戦争を見た。
こちらはオリジナルの1953年版のDVD。原作は1898年にH.G.ウェルズが発表した小説で、読んだことはないけど、粗筋は知ってて、映画も落ちは同じ。
これは原作。原作はともかく、このリメイク映画を現代の視点で見るとストーリーに欠けていて、どうにも……。主人公が主人公らしくない酷いことをするのがある意味リアルだったり、敵が圧倒的な強さを持ちつつマヌケだったり(赤外線さえ使っていないとか、恐ろしく昔から準備していながらなんだそれは、という流れだったり)、逃げ回る民衆もどこかコミカルだったりといった点を楽しめれば、それなりに満足かも。
あと、大阪人……やるな。